Official髭男dism「Editorial」

Official髭男dism「Editorial」

Official髭男dismのニューアルバム「Editorial」。
まだ3枚目なんですね(メジャーでは2枚目)。

まずこの歳でニューアルバムを心待ちにするバンドが出来たことに感謝です。

ちなみにこれは髭男さんのせいでもなんでもないんですが、“とある時”から(苦笑)ミュージシャンの”アーティストっぽい”インタビューに生理的に嫌悪感を抱くようになってしまったので、なるべく音の前に情報を入れないように、インタビュー等は意識的に入れずに作品に触れております。

なので、本人の意図と見当違いな部分、ファンにはとうに常識な部分など多数あると思いますが、そこはご容赦ください。

 
まず、曲目リストをコピーするために、公式HPを見たのですが、どうやら各メンバーが作詞作曲した作品が含まれるようです。

普通のバンドだと「藤原新曲ほとんどないじゃん!」とか「水増しかよ!」みたいなツッコミが起きそうですが、演奏だけ聞いても各メンバーの尋常じゃない音楽力が分かるこのバンド、むしろバンドとしてのポテンシャル・伸びしろという意味で楽しみしか湧かないのが凄いトコロです。
 
いきなり話が逸れますが、このバンドを聴いていて元々思ってのがこのメンバーで各ソロアルバムを作って欲しいということなんですよね。
だから各メンバーの楽曲が含まれる、というのはアガりましたね。

てなわけで通しレビューをいってみましょう。
 
01.Editorial
アルバムタイトル曲でもある序曲。
こういうアルバムアタマの短い序曲、ツボなんですよね、大好物w。
 
高度に・丁寧にエフェクト処理されたボーカルがシャレオツでニクい。
「滅茶苦茶ハイファイなんだけど、アナログの温かみもある」というこのバンドのパワーポイントが歌だけで表現され、この後の本編に対する期待がググんと上がります。

 
02.アポトーシス
序曲に続いて“ガツん”とくるのかと思いきや、シャレオツ路線継続のミディアムバラードでいい意味でこちらの予想を裏切ってきます。

ボーカルと歌詞の精度が明らかに上がっているのが伝わりますね。
年齢も違うので「歌詞」という部分では、初期の曲はグッとくることが少なかったのですが、ここ最近の曲はワードチョイス、内容ともにグングンと深みが増している印象です。

そして2曲目にして感じるとにかく”ピュア”なサウンド。

音数は多い方なんですが、無駄な音が無いのでガチャガチャ感が無く、むしろスッキリとすら感じさせるアレンジ力・演奏力が素晴らしいですね。

海外の大御所バンドみたいなサウンド感です。
 

 
03.I LOVE…
ここでガツンとヒットナンバー。

サブスク時代に「アルバム」の意味は?というのはずっと言われていることですが、その回答を出している印象です。
ここまでの流れの中で聴くと、比喩ではなく”新曲のように響いてくる”

バラバラに手軽に聴けるからこそ「組曲」としてアルバムがひとつの作品として成す重大さを感じさせてくれます。
 

 

04.フィラメント
Drs.松浦匡希とVo./Pf.藤原聡の競作とのこと。

上手いのは当たり前ですが、この人の音作りやエレドラを使ったフィルなどを聴いてると、「多分ピアノとか普通に弾けるんだろうなぁ」という感じを受けます。
歌やコードといったことに関してまで、他メンバーと同様に楽曲に対する理解を共有している印象。
上手いドラマーって大抵ギターやピアノが弾けたり「音楽」そのものに対する理解度が高いです。
 
この楽曲も正直言われなければ普通に藤原曲として何の違和感もない完成度ですしね。

ディレイをかけたギターとドラムのフレーズのループが作る浮遊感がクセになります。
あとやっぱ”コーラスが上手いバンド”って強いなぁ、と改めて思います。

 

 
05.HELLO
06.Cry Baby

ここでシングル連打。

“ガツん”はシングル曲に任せるという方向性みたいですね。

とはいえ、単発で聴くよりもより深みを持って聴けるのは『I LOVE…』同様。
僕はアルバム買ったに新曲が聴きたくてつい既出曲をスキップしてしまうのですが「それをしてはいけない」という圧を感じますw
 

 
07.Shower
ギターがスンバらしい
書いてなかったらこれか次の『みどりの雨避け』がGt.小笹大輔曲だと思ってしまいます。

『ビンテージ』とか、こういうシンプルな音数、演奏、曲調で“懐かしさ”は感じつつも決して”古さ”は感じない、というのが、ボクみたいなオールドロック好きのオッサンがこのバンドに惹かれるトコロだと思います。

これが単純にビートルズフォロワーみたいなバンドだと「じゃあビートルズ聴くわ」となるんで、しっかり”新しさ”も感じるところがミソ。
 

 
08.みどりの雨避け
ギターがスンバらしい(アゲイン)
 
“絶滅危惧奏法”たるスリーフィンガー奏法を令和のトップバンドが魅せてくれているだけで満足ですw。
スライド、ワウに次ぐ”オッサンギタリストホイホイ”なプレイがたまりません。

 
でもこの曲、Ba.楢﨑誠作なんすね。

この人、音楽脳の塊のような印象を受けるミュージシャンですね。
黒人ベーシストを思わせる粘っこいグルーヴ、でもJ-POPらしいピック弾きエイトビートも絶品、しかも曲によってはMoogのシンベを弾いたり、サックスに回ることもあったり…もうバケモノか!?と。

僕世代の感覚でこのバンド見てて思うのが、バンド内に小林武史と亀田誠治いるという感じ、トップクラスのプロデューサーをふたりも自給自足出来てるというw。
 

 
09.パラボラ
アルバムの中に入って一番印象が変わったのがこの曲。

ここ最近の曲の中ではちょっとだけクオリティが落ちる印象というか…あんまし好きじゃなかったんですが、曲の持つ疾走感とかメッセージ性がアルバムの流れの中で引き立ってグッと来ました。
 

 
10.ペンディング・マシーン
シャレオツ!!

このバンドにしたらお手の物、というファンキーな曲。
んで意外にこの手の曲、ありそでない(『最後の恋煩い』くらいかな?)。

バンドの演奏力・グルーヴがダイレクトに伝わってきて、シンプルにカッコいいっす。
間奏のシンセブラスとか鳥肌もの。

ライヴでも映えそうです。
 

 
11.Bedroom Talk
メンバー作の曲がある、と聞いて楽しみだったGt.小笹大輔作品。

いやー期待を裏切らない”ギタリストらしい曲”
“ギタリスト甘い曲書きがち”という古くからの”あるある”を外していないところがツボw。
 
クランチサウンドでのバッキングのオブリガードが絶品です。

 

 
12.Laughter
ある意味“髭男らしくない”、J-POP/J-ROCKど真ん中な楽曲。

ドラムループにストリングスでクールに抑えたAメロから、ドラムインでガツンと広がるサビという2000年頃のJ-POPで腐るほど聞いたアレンジwが一週回って素敵です。

まぁ年齢的に普通のキャリアパスでいったら、バンプとかエルレとかを通ってる世代だと思うんでこの手のサウンドは当然入ってるんでしょう。

こういう切ない曲で”切なさ”を演出するドラムの音色とグルーヴが本当に素晴らしいです。

 

13.Universe
最近またシングルリピートしてるんですが、本当に素晴らしい曲だと思います。

メロディ、歌詞、演奏…全てが最高。
 
惜しむらくは…何故かドラえもんの映画だけ公開がメチャメチャ先延ばしになってることですw

 

 
14.Lost In My Room
ボーカル!!!

ラストを飾るのはラストらしいミディアムバラード。
自身の限界をさらに押し上げるようなボーカルワークが絶品、鬼気迫るものがあります。

こういう曲でのリズムが、今までの日本人に無い“ネイティブ”を感じていやー時代は変わったのぉ、近頃の若者は凄いのぉと感じさせてくれますw

 

 

 
というわけで当たり前のように名盤という感じで。

先述のようにサブスク時代の“アルバム”の価値を強く感じられるところが素晴らしいです、既出曲が新曲のように新しい意味を持って入ってくる流れには唸らされます。

 

 
とはいえ一方で…正直な感想として、既出の濃すぎる大物群を軸に、そこを繋いでいく形で新曲を入れていった印象があるので、新曲の中に”ガツんとくる大物”が少ないかなぁ…というのはちょっとあります。

それこそサブスクで聴いてるから気になりませんが、3千円払ってアルバム買ってたら若干物足りない、と感じたかも、という…逆に言えばそれすらサブスク時代のアルバムの形なのかもしれませんがw

 

 
まぁまだ1日目の感想、新曲は聴きこめば良くなるタイプの曲も多いと感じるので、何度も聴くことで見つかる新しい発見もあると思います。
 
“今後も”楽しみな懐の深い作品です。

 

 

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