■HIGEDAN LIVE AT NIPPON BUDOKAN
最近の“在宅ワーク、ランニングのお供に”のひげだんのライブ盤です。
2019年の武道館公演を収録。
もうね…
素晴らしい、最高!!
以上!!
でレビューが終わるくらい非の打ちどころのない作品でございます。
とはいっても…なので、そんな言葉は要らない名盤を、馬の骨が無駄に語ってみようと思います。
このバンドに関してはあえて音以外の情報を極力入れないようにして楽しんでるんで正確なことは分かりませんが『preteder』のヒット前後だと思うので、「“上り坂”の一番いいところでの武道館」、そんな印象です。
チャゲアス界隈なら「SAY YES/BIG TREEツアー」あたりの無敵感・希望感が溢れている、といったら伝わるでしょうかね。
それにしてもバンド界、10何年の空白を経てスゲーバンドを送り込んだもんですね。
てなわけで、流れを追ってのレビューをしてみます。
オープニングはSE後の『115万キロのフィルム』
この曲は以前単発で紹介したこともありますが、メロと歌詞が”ファン受け”すること間違いなしの名曲。
チャゲアス『PRIDE』ミスチル『抱きしめたい』的な、メジャーヒットではないけどFC投票では上位の常連、的な立ち位置の曲だと思われます。
原曲にはないホーンアレンジが絶品。
特にイントロに加えられたアレンジが高揚感を煽る煽る。
とにかくこのライブ盤、アタマ3曲がカッコ良すぎる!!のですよ。
ヒゲダンの“ウリ”でもあるrit…“からの~”次曲イントロへのメドレーがハマりまくり。
演出自体は良くあるものなんですが、ベタだからこそ繋ぎ方などのセンスが出ますね。
2曲目、Aメロのグッとくるメロディーが魅力の『異端なスター』、3曲目、シンセのリフがシャレオツな『Tell me Baby』と完璧な流れ。
この2曲では共に伝家の宝刀、”スティーヴィー・ワンダー印”のキメが炸裂。
これにはちょっとバンドとか洋楽かじってる人には”おおっ”となり、そうじゃない人は単純に気持ち良くなるという。
「歌」だけではなく「演奏スキル」「サウンド全体」で攻められるってのはこのバンド最大の魅力ですな。
緊張からか1、2曲目では若干バンドメンバー間で温度差が感じられる演奏が、3曲目でグルーヴがバシッと決まる瞬間もスリリングです。
『ブラザーズ』ではベースの人がバリサクに回るなどの多彩な展開も。
サウンドはオシャレなんだけど、ライブの構成はいい意味で“ベタでダサい”J-POPの文法を活かしているところも魅力。
米米CLUBやドリカムなど、歴代のパイセン方が培った財産も上手く利用している印象です。
これでスカした感じでやられたら、違うなぁ…となるし、この辺の「したたかさ」も流石。
サポートメンバーの仕事も素晴らしい。
ホーンセクションのアレンジ、イイ感じに主張してくるパーカッションなど、ブレの無いディレクション、親方の高い要求レベルに対しギャラ以上の働きをしてますね。
それにしても…『コーヒーとシロップ』が名曲過ぎる
何というメロディーを書けるんでしょうかね…この人…
後半、おそらく盛り上げ曲の定番と思われる『FIRE GROUND』では、まさかの…”ゲイリームーアからのディープパープル”
このバンドではちょっと毛色が違うロックナンバーで、シンセとギターのライトハンドが絡むコテコテの間奏が良いのですが、このライブではさらにメロウなギターイントロとソロをプラス、オルガンとマイナーのアルペジオをハモるという。
こういう”遊び”がオッサンまで虜にする所以。。
そしてギター、改めていいわー。
日本人でギターヒーローとなるためには、グルーヴィーなカッティングやジャジーなソロが上手いだけではダメなのですよ、マイナーな泣きと速弾きが必須。
ここを分かってるところも素晴らしい。
あとこの『FIRE GROUND』、明らかにボーカルがちょっとバテてるのもリアルでいい感じですw
この後に『Pretender』っていうね。
この流れ聴くとね、オジサンねぇ…『コンサートムービーGUYS』の“エナジーからのSAY YES”を思い出すんだよなぁ…遠い目。
そんな回顧はおいといて…汗
あのイントロのアルペジオを、ライブでギターがリキッドな音で弾くと、よりバンドでロックな感じになって良いですな。
しかし恐るべき名曲だわ…2番Aメロのリズム隊のスーパーアレンジ、カッコ良すぎなシンセソロもライブでガッツリと再現・アップデートしてるのも凄い。
地味にこのバンド、コーラスも上手いんだよなぁ。
あの若さにしてバントの奥行きがハンパ無いのがねぇ…ホント近頃の若い者は…と。
そしてここでもお馴染みのrit…からの~次曲がハマる。
分かってても…な爽快感があります。
『ノーダウト』『宿命』と(おそらく)彼らの代表曲が続きフィナーレへ。
アンコールと思われるの『Amazing』のセッション的な演奏が洋楽バンドっぽくてニクいです。
こういうところまでイイ感じなんだよなぁ。
ということでサブスクに入っている人は、是非一度チェックしてみてください。
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