【一連のライブハウス問題考】①.ライブハウスの現状

ようやく解除に向かいそうな昨今でございますが。

さて、今回のコロナ騒動でかなりの初期から大きく取り上げられることとなってしまったのが「ライブハウス」と「スポーツジム」

共にワタクシに馴染みのあるものでして、開いてないのは非常に寂しいわけですが…

だからといって「すぐに開けてくれい」というのもちょっと違う気はしてたり。

てなわけでジムは置いておいて、今回はライブハウスの方に触れてみます。

 
ツイッターのTL上にこんな署名の誘いが来ていて「賛同する」をクリックしようと…思ったんですけど…ねぇ…

・ライブハウスへの本当の休業要請緩和を求めます

ここの主張文が…それを…ためらわせざるを得ない…

 
 
まず誰もが気になるであろう以下の部分。

 

>ライブハウスは、ぎゅうぎゅう詰めになってもみ合いになりながらイベントが開催されていると思っているのでしょう。正直、今時そのようなライブハウスもありません

 

 
いや…ふつーに…あるって…汗
 

 
嘘はダメですよ嘘は!!

 

 
おそらくこの主張者がイメージしている”ライブハウス”は文中にもあるように、ジャズ系やアコースティク系などが中心の「椅子あり・酒メシ付き・キャパ50人前後、客層はある程度大人」てなハコだと思います。

 

 
まずこの問題の一番のポイントはここ。
「ライブハウス」とひとくくりにして議論すること自体が不可能かつ無意味、という。

 

この例である50人位のライブレストラン的な場所から、Zeppのような1000人規模の大バコ、ビルボードやブルーノートみたいなオサレな空間、かたや建築法ギリギリの雑居ビルの地下にあり100人はいればギュウギュウなとこでアングラバンドが盛り上がるてなとこまで…

 
全部「ライブハウス」。
 

 
ジャズやアコースティックでは問題なくても、パンク系のハコで「マスク付けて着席、2m空けて」は大問題・ムリゲーでしょ!?

 

もっと言えば「密集地で踊る」のが目的なクラブ、それに伴うDJやラッパーはどうなの?

 

 
と…。
 

 
その中でアコースティックやジャズのハコやミュージシャンが、「ウチら”は”密集しないで大丈夫な音楽なんで、ウチら”は”やらせてくださいよぉ」などと主張したなら、そいつはしょーもないクズでしょ??

 

 
あと「そのライブハウスが持つ文化的重要度」が、必ずしも箱の大小と相関しないという。
 

 
実はZeppとかブルーノートみたいな大会場が開いてなくてもそこまで問題では無い気がするんですよ。
代替の会場・方法はあるだろうし、このクラスに出るアーティストならばある程度確立されたものがあり、多少の揺さぶりには耐えられる。

 

 
一方で、高円寺にUFOクラブというお店があります。

ボクも何度か出演したことがあるんですが、ここはレトロロック的なジャンルにおいてアングラ系ロックバンドの「聖地」として存在しています。

それこそ100人入れば一杯の汚いハコなんですが、たまにその筋では結構なビッグネームが出てたりもしますし、熱狂的なファンを持つコアなバンドが多数常バコとして活動している。

ボロいのにもメリットがあり、シンプルに都内のライブハウスとしてはチケットノルマ(出演料)が安いw

 

その他、地方ではオーナーの面倒見がよくメシと宿を提供しているなど、各地で「拠点」となってハイエースで全国を回るようなバンドを支えているライブハウスも多数存在します。

 
またジャズなどのジャンルでは、日本のトッププロでもライブの規模は数十~100人程度でありライブ開催場所も限られるため、田舎の県にあるこのようなハコは、文字通りその土地の「文化」を支える場所そのものです。
 

 

こういったハコは「文化的重要度」という点では、ある意味じゃ「Zeppやブルーノートよりも高い」といえる場所なわけです。

 
こういう場所が無くなるのは「大きな文化的損失」であるのは間違いないと思います。

 

 
一方で…、これは僕世代でバンドやってた人間にはある程度共感できると思いますが。

あえて死語を使うならば、20年前から既にライブハウスはオワコンという側面があります。
 

 
15~20年前ごろ時点で、若いロック・ポップス系のバンドにおいて「ライブハウスがバンド・音楽文化を育てる」なんていう状況はほぼ死滅してました。

そんな中で、名前の威光・残り香を利用して、その幻想を持っている純粋な若者バンド相手に商売をしている、そういった印象の老舗ライブハウスが多数あったんですよ。

ワタシもそこに騙されたひとりなわけですが…苦笑
 

 
都内にはチケットノルマという「出演料」を徴収しつつ、スタッフが偉そうに完璧にパワハラレベルのダメ出しをする、そんなハコが多数ありました。
 

 
そんな中でこの実情に疑問を持ったミュージシャンも多く、一方でストリートミュージシャンがブームとなったり、YOUTUBEが出現、HP・SNSが発達…といった環境の変化も重なり、アタマのいいバンドは「脱・ライブハウス」をはかり、独自の戦略を模索するようになります。
 
ある程度キャリアを積むと、ライブハウスに何らかのプロモーションや上澄みを期待する感じは全くなくなり、ライブハウスに出演する場合でもペイが計算できる自主イベントの「会場」として、通常ブッキングで出るのは意味がないと考えるようになったバンドは多かったですね。
 

 
当時でこれですから、今の若いバンドに「ライブハウスの名前・権威」みたいなものに対する憧れなんてほとんどないと思います(何故か昔から体育会ノリなヴィジュアル系だけは多少あるみたいですがw)

 

 

当然ながら旧態然としたライブハウスはバタバタと潰れていきました。

自分が出ていたところを調べても半数以上が潰れたり、名前が変わったり、地下アイドル御用達の貸しホールといった業態チェンジをしてたりします。

もっとも、数年前に名前が無くなったと話題になった「屋根裏」などは、当時から別企業に買われた「名前だけ」の状態でしたし、他にも名前は有名でもその実「ホーキンスはABCマート傘下」状態なところも多く、直系で生きているハコはほとんどなかったりするわけですが…

 

 
そんなわけで老舗ライブハウスの多くは、嫌な言い方ですが…“レナウン”と同じで「コロナで倒産」と言われても、「それ明らかに放っておいても潰れたのが早まっただけやん」というところもかなりあると思います。

 

 
ふう…

 

 
てなわけで、ひとことに「ライブハウス」といっても、ざっと書いただけでこれだけの多様性や問題をはらんでいるわけですよ。

 

そんな中で「ライブハウス」というコトバで括り、対応するというのはそれ自体に無理があるわけです。

 

 
んでこのライブハウスの繊細な住み分けや問題をお上が理解できるわけもなく…、というかそこまでお上が意識する必要もなく、お上にそれを求めるのも違うだろ、と。
 

 

 
じゃあどうすればいいか?といえば…

 
と書こうと思って心が折れたので…苦笑
 
 
とりあえずここまでを「①.ライブハウスの現状」としてこのエントリーを終わりにします。

 
※②へ続く

 




 

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