久々の純然たる音楽ネタ
日産スタジアムでB’zのライブを見てきました。
B’zに関しては中学時代から付かず離れず…『B’z好き』ではあれ『B’zファン』ではない、みたいな距離感なんですが…苦笑
90年代前半当時は“チャゲアスとセールスを争うライバル関係だった”なんて言っても、今の若い子は信じられないだろうなぁ…遠い目
そんなB’zですが、YOUTUBEでライブ映見てて、もうここ3~5年くらいのライブが“凄まじい”以外の感想が湧かない位に素晴らしく、こりゃ生で見ねばと思ってたところにベストツアー『Pleasure』の開催ということで、いそいそとチケットを取って参戦してまいりました。
ちなみに20年近く前に1回見てまして、前もここ(当時は多分スポンサー付く前で「横浜国際競技場」だったと思う)。
前回の時、最寄駅「小机」から、メチャメチャ民家の中を歩いたのが印象的だったんですが、その導線が全く変わってないというw
というか「あの駅からスタジアムまでの道を整備しよう」と作った時に思わなかったのかなぁ…(ということを20年前のブログでも書いた気がする)
そんなこんな…熱い
この誤字が正解の暑さ…スタジアムに入るまでの人混みはマジ倒れるかと思いました。
さて、ここでライブのチケットシステムに関して。
『座席位置は当日、発券機を通さないと分からない』という仕様。
転売問題が言われるようになった時から、根本的な解決は狭い会場では身分証での面通し、広い会場ではこの当日決定しかないと思ってたんですが、人員や予算をかけても実行してくるあたりは流石トップランナーと唸らされます。
インタビューでブツクサ文句を言って客の良心に訴えたり、WEBサイトに見せしめのように入場禁止のチケ番を晒したりするのではなく、金も手間もかけてシステム側できっちり対応する、これが“オトナ”の対応だし、真摯に問題を受け止めているという証拠です。
でもひとつシンドかったのは、『アリーナ席はミネラルウォーター以外持ち込み禁止、飲食物は預けることも出来ない』という決まり。
グラウンドコンディションとの兼ね合いからくる規定だと思うんですが、これが“発券後に座席が分かる”というシステムと絶望的にマッチングが悪い。
ちなみにアリーナ入場口の手前でミネラルウォーターを売ってたんですが、コイツが『1本250円、しかも長蛇の列』という…
んで実際は特に持ち物チェックもなく、アリーナへの飲食物持ち込みは実質黙認状態。
この状況が何を生むかと言いますと、変な言い方ですが”決まりを守るマジメな人”は…
アリーナ入口前で持っていた食べ物をかっこみ、味付きの飲み物を一気飲みして消費した上で、ながーい列に並んで1本250円のミネラルウォーターを買ってから入場する
という“何その罰ゲーム”を入場前に強いられるという…苦笑
こういう「正直者が馬鹿を見る状態」ってホント嫌だなぁ。
ここはせめてアリーナになった人には「飲食物はここに入れて絶対に席で出さないで袋」とミネラルウォーターのペットボトル1本を支給、位のことをしてほしいなぁ、と感じました。
と、長い前置きを経て本編へ…
てなわけですったもんだあった上で入場。
席はそんなアリーナの後方、飲み物は…水しか持ってないですよ…断じて…ウン…苦笑
いやー7万人が満員ってのは凄い。
ちなみに前に見た時はたしか7階席、それに比べれば天国。
入場にメチャメチャ時間がかかったので、時間に余裕を持って出たつもりが席に付いてすぐに開演アナウンスが始まる感じ。
30周年ミレニアムイヤーということで、ヒストリー映像的なものが流れ場を温めます。
いやーモロモロ時代を感じますなw
ほどなくしてバンドメンバーが板付き、続いてリフトに乗ってご本人登場。
ノースリーブの松本に対し、スーツ着用の稲葉、暑そう…
意外にもシンプルなオープニングだなぁ~と思ってたらなんと1曲目が『ultra soul』
そりゃ演出いらねーわw
最大のキラーチューンで一気にテンションMAX。
稲葉の歌いだしを聴いて…
口パク??
と素で疑う。
YOUTUBEで見た映像や、ネットでの感想をみると「少し声が出なくなった」みたいな話もあってちょっと心配だったんだけど、全く持ってNO問題。
声量、ピッチ、シャウトどれも異次元。
50半ばにさしかかろうとする人間とは思えない、ボーカルワークと風貌。
その裏にあるであろう節制や努力を考えると、トップにいながらも驕らない姿に敬服しかない。
完全に持ってかれたオープニングに続いて、ライブバージョンではお馴染みのドラムフレーズ。
2曲目『BLOWIN’』
B’zといえば『In The Life』『RUN』あたりの世代的には『ultra soul』よりもグッとくる選曲。
僕の感覚的には“割と最近の曲”である『ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~』を挟み、松本が極上のクリーントーンでサラッとブルースフレーズを聴かせ会場を酔わせた後…
高校生の時にエピフォンのエレアコで必死こいて練習したアルペジオ…
『TIME』
反則だよぉ~反則過ぎるよぉ~
この辺で、このライブにおけるひとつの統一した印象が生まれます、それは…。
“初期・中期の曲は、原曲の歌唱・雰囲気を意図的に再現する形で演奏されているのではないか?”ということ。
先ほど“口パク”という言葉を使いましたが、全体的に“いい意味で”『CD通り』という感想が強い。
もちろん、今の声やサウンドの良さも充分に活かした上でという前提ですが、ここは意図的にそういうコンセプトで演奏されていたように感じました。
で、これが僕のようなアラフォーのにわかにはメチャメチャハマるというw
さて、ここでボクがB’zを生で見たいと思った、大きな要因のひとつを…
サポートギタリスト:大賀好修
僕の知る限りですが、コーラスメインの人がリズムギターを弾いていたことはあっても、ガッツリとしたセカンドギターを入れてライブをしているのは現ラインナップが初だと思います。
見た目が若いので若手かと思ったら、世代的に松本のチョイ下くらいなんですね。
キャリアをみるとビーイングの専属ギタリストみたいな感じ。
この人、凄まじいです
松本の速いフレーズに対しても完璧にハモるのはもちろん、そのハモり方も“本人のクローン”としてタイミングまできっちり合わせるパターン、“ツインリード”としてあえて間を変えて弾くパターンなどさまざまな引き出しをみせます。
まぁスタジオ系のテクニシャンならその手のコトは余裕なのかもしれませんが、それよりも素晴らしいのが“松本のギターと混ざった時のトーンの美しさ”
もちろん計算して音作りをしている部分もあるでしょうが、それ以上に根本的にふたりの相性が良いのを感じます。
それが最も分かりやすい1曲が…『もう一度キスしたかった』
言うまでもなくそもそも僕世代にはタマラナイ1曲なわけですがw、この曲のBメロの裏で入れるシングルトーンのバッキング、この美しさがもう涙もの。
白玉を弾いてるだけなんですが、ギター2本で作るハーモニー・音色が至極。
これが生で聴けたってのはこのライブで一番の収穫のひとつでした。
リズムギターに触れたところで、リズム隊にも行きましょうw
ドラムはもうほぼ“B’zのドラマー”として世間的にも認知されているシェーン・ガラス。
ラフでラウドにプレイしているように見えて、カッチりと縦の位置やタイムは守るLAのロックドラマーと日本のスタジオミュージシャンをミックスしたようなハイブリットな演奏は、まさに“B’zのためにある”ようなスタイルです。
ほいでもってベース、バリー・スパークス。
MSGとかドッケンをやってたベーシストみたいですね。
バンドにおいてサウンドの“格”や“艶”みたいなものを決めるのはベーシストという側面があるわけですが、そういう意味でここ数年でB’zのライブの格をググーンと何段も引き上げたのは間違いなくこの人。
手数が多いながらも歌を邪魔せず、ねっとりとヘバりつくようなグルーヴが素敵。
このうにょーんと粘る感じは外人ならではの握力なんだろうなー、という印象。
あと僕の印象ですが、多分この人、凄いマジメ。
日本の音楽の傾向とか、日本人が好むノリとかしっかり研究してそうです。外国人で言ったらラミレスみたいなタイプな気がしますねw
松本が、このリズム隊に全幅の信頼を置き、プレイに与える裁量を大きくすることで、自由度の高いスリリングな演奏を展開するのがここ数年のB’zのライブの最大の魅力な気がしていました。
そういう意味では、先述のように今回の原曲再現度の高い演奏は、センチメンタルな感情を揺さぶられる反面、“ライブ感”、“スリリングさ”という点では若干の物足りなさも覚えた前半なわけですが…
後半『ZERO』あたりから、バンドがひとつギアを入れます。
この曲はカッチリとアレンジされたB’zの曲の中では割と“隙間”を感じるセッション性の高い曲だけに、バンドの演奏力・グルーヴをモロに感じることができますね。
ちなみに間奏のラップをB’z芸人・ブラマヨの小杉が歌う(映像処理)という小ネタがありw。
んでそのまま突っ走るかと思いきや『ALONE』なんぞを挟むあたりがニクい。
7万人の観客の熱量を演奏の押し引きでコントロールしているのは見事。
そしてクライマックスへ。
このライブのサブタイトル『HINOTORI』を中盤に挟んだ『LOVE PHANTOM』。
いや~とにかく“大げさ”な感じがあの時代を感じる曲ですなw
この曲の演出と言えば当時も話題になり、最近でもアメトークなどでも紹介された稲葉の『高所飛び降り』
これは絶対に生で見ないと駄目だわ…
単純に『人が飛んじゃダメな高さからダイブする』という画は、本能的なところに訴えかけてきますね。
100%安全な仕組みがセッティングされていると脳で分かってても、“生の画”として飛ぶ人が入ってくるとその“ゾワッ”っとする感覚にやられました。
クライマックスは『juice』~『BAD COMMUNICATION』~『Pleasure 2018』と畳みかけて本編終了、どんだけ曲持っとるねん?と。
そういえば先述の大賀氏が入ったことで、僕みたいなギターかじった人から『松本がカッティングをしなくなったのが残念』『サボるな』などの意見があり、これは僕もちょっと思ってたとこなんですが、『BAD COMMUNICATION』を生で聴いた印象として、シンプルに『大賀、カッティング超うめぇ~~』と。
松本特有のちょっとラフで前に主張してくるいわば“ロックギタリストのカッティング”とはタイプが違いますが、逆にスタジオ系プレイヤーらしいタイトでグル―ヴィーなカッティングはそれはそれで素晴らしい別の魅力が。
特に『BAD COMMUNICATION』は熱いリズム隊に対し、元々の打ち込みが持っていたクールな印象をプラス出来るという意味で非常に活きていたように感じました。
さて、ここでギター・Tak松本の感想をまとめて。
とにかく“1音の存在感”がワールドワイド。
音の良さが際立ってましたね、弾き方からサウンドシステムまで磨きに磨き、洗練に洗練され尽くされた極上の逸品。
特にクリーントーンでシンプルなフレーズを弾いた時の“説得力”がハンパなかったです。
んで『ミック・ジャガー×キース・リチャーズ』『スティーヴン・タイラー×ジョー・ペリー』『アクセル・ローズ×スラッシュ』のように、ロックバンドにおいては『動のボーカル×静のギター』という組み合わせが“王道かつ最高”という点で、歳を重ねたことにより『ドシりと構え、ルーズにオブリのフレーズを入れる』みたいなスタイルがハマっててメチャメチャカッコよかったです。
Aメロのバッキングをゴッソりしなくなった曲なんかも多くて、先述のように『サボってる』などと言われたりもしますが、あれはセコセコバッキングを弾いてるよりも“笑顔で客席眺めながらボーカルの合間にチョロッと弾く”位の方がライブ映えするように思います。
とはいえテンションの高い速弾きやB’zらしい難解なバッキングも健在。このメリハリも魅力です。
ライブのコンセプトもあり、前半は他の楽器陣同様割と“抑え目”だったし、ソロもほぼ音源通りに弾いていたように思いますが、それでも随所にキレのあるフレーズで湧かせていました。
使用楽器に関しては、初期中期の曲はギブソンではなくフロイドローズ付のミュージックマンを多く使ってたのがちょっと意外でした。やはりライブのコンセプト的に当時のギターサウンドを意識したサウンドメイクが成されていたように思います。
ただここは僕の勝手な予想ですが、アコギを一切弾かないことや、先述のようにバッキングをリズムギターに任せることが多いことから見て、もしかしたら手首に何らかのトラブルを抱え、それを押してライブをしている可能性もある気がしますが…。
ギブソンはゴールドトップが多かったかな?DCやイエローなどいわゆる“松本モデル”はほとんど使用していませんでした。
馬鹿デカいPA経由でもギターを変えるとそのサウンドの違いが伝わってくるのが楽しかったですね。多数のエフェクトを通っていても、楽器のダイレクトな音を大事にしているシステムなんだと思います。
中でも本編ラスト『Pleasure 2018』で持ったフライングVの音色が群を抜いて素晴らしかったです。最近の映像を見てると、レスポールよりも“ここ一番”の楽曲で持っている印象が強かったんですがそれも納得の音色でした。
ライブに戻ってアンコール。
後方のサブステージに登場。
僕の席がアリーナ後方だったんで“生ビーズ”をはじめて肉眼で確認w
曲はB’zの曲で1、2を争う位好きな『Brotherhood』
でもこのサブセット、PAはメインのまま、楽器隊もメインステージでの演奏という…
ここはちょっと微妙…せめてもう1曲ふたりだけでアコギで演るとかして欲しかったな、という気がしました。
とはいえラストの『うぃ~~るびぃぃぃぃ~~~おぉ~~~~らいぃぃぃぃ~~~~』のシャウトには震えましたが。
メインステージに戻って『愛のバクダン』。
『juice』とかこういうザックリとしたロックナンバーはスタジアムに映えますね。
ちなみにここ、日によって『ギリギリCHOP』とのテレコらしい…そんな大事なとこを日替わりでやるなよ…どっちも聴かせろ苦笑
オーラスは『RUN』、問答無用の名曲です、言うことありません。
てなわけでここ最近の念願だった生B’zなわけですが…
演奏、歌唱、選曲…総てにおいて“非の打ちどころがない”内容でございます、存分に堪能させていただきました、という感じで。
というかですね、誤解を恐れずに言えば“現役の”ロックバンドにおける“今のライブ力”という意味では“世界一”なんじゃないか、という。
んでそれはここに至るまでに奢らず、サボらずストイックに精進してきた結果。
リアルタイムで通過してきた人なら分かりますが、B’zって売れてはいたけどデビュー当時は『半アイドル』みたいな存在だったし、洋楽組から叩かれたり、お洒落組からは揶揄されたりと決して盤石なユニットでは無かったわけだし。
それが30周年でぶっちぎりのトップで7万人のスタジアムを埋めているというね。
んでそこに至るまでの努力、そのストイックさは稲葉の体型や動き、声なんかを通して素人にでもメチャメチャ伝わってくるわけで。
そういう根幹の部分で感動を誘う下地が出来ているという。
そういうモロモロ含めて“イイモノ見たなー”と。
まぁあまりに選曲がベタなので、僕のようなにわかにはいいですが、もしかしたらコアなファン的には若干物足りないのかな、という気はしましたが。
僕自身もうちょっとマニアックな選曲で、“バンドの底力”みたいなものを味わう攻めたライブも見たいなという気になりました(出来れば武道館や横アリ位の会場でw)。
ツツく“重箱の隅”もそれ位でほとんどないなー、ツツいてナンボのボク的にはそれが一番の不満点w
とにかく“最高のお祭り”、”極上のロックショー”でした。
2018/08/05
B’z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-
【セットリスト】
ultra soul
BLOWIN’
ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~
TIME
love me,l love you
光芒
もう一度キスしたかった
恋心(KOI-GOKORO)
OH! GIRL
イチブトゼンブ
ZERO
星に願いを(TAKソロ)~ALONE
LOVE PHANTOM ~ HINOTORI ~ LOVE PHANTOM
Real Thing Shakes
juice
BAD COMMUNICATION
Pleasure 2018 -人生の快楽-
アンコール
Brotherhood
愛のバクダン
RUN
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