山本彩『identity』

アマゾンプライムミュージックでふと聴いて、あまりに良かったので思わずレビュー。

山本彩の2ndアルバム『identity』

 

 
この人、NMBでしたっけ??
アイドルや歌謡曲は大好きなんですが、AKB系には全く手を出さずに来てるので、この人も“名前くらいは知っている”レベルです。

とはいえ歌番組でCHAGEとエピローグ歌ってたり、ギターマガジンなんかにもたまに載ってたりもするんで、ギター弾いて曲書けて、亀田誠治プロデュースで…みたいな断片的な情報は入ってました。

アイドルに籍を置きながらミュージシャン・アーティスト志向が強いということで、何となく“女版・堂本剛”てなイメージを勝手に持ってましたねw

だからと言ってCDを買ったりDLしたりするかといえばしないので、この手の聴き放題プランは“発見”のハードルを下げるという意味ではメリットが大きいです。

まぁぶっちゃけ、ネタ・興味本位・怖いもの聴きたさ…てな感じで「再生」ボタンをクリックしたんですが…

イントロでぶっ飛びました

テンションが高いドラムに、素晴らしすぎるストリングス…

“亀田…本気だ…”

と唸らせるサウンドの後に、入ってきたボーカル。

ウメェよ…歌…。

元々僕は、矢井田瞳とかYUIみたいな、バンドサウンドをバックにフラットな歌声で歌う女性ボーカルが好きなんで、ツボにもハマります。
最近この手のミュージシャンでパッとする人、いないですしね。

しかしこれ、音だけで聞いたら絶対AKB系の人なんて思わないっすわ。
プロのシンガー/ミュージシャンとして何の違和感もなく入ってきます。

フラットな中にも声にフックがあるから、流れていかないで“おっ”となるし。
歌声の表現の幅も広くて、透明感のある声とは真逆の、パンチがある“ドスの効いた声”も魅力的だったりします。

また、いきものがかりの人が作曲で、作詞が阿久悠の『愛せよ』って曲が分かりやすいんですが、フォークっぽい曲で拓郎やこうせつが魅せる“哀愁”の節回しが自然と出ているところも凄いです。

まぁ椎名林檎やYUIなど、元が透けて見えるなぁ…というところもあったりしますが、それはまだ愛嬌でしょうw

ウィキペディア見たら、半分以上の曲が自作ということにも驚き。
クオリティ的に職業作家やゲスト作家が書いてる曲と並べて何の違和感もありません。

曲はまぁアレンジでどうにでもなる側面があるけど、詞に“おおっ”ってなる表現が多いのには驚きますね。
(このアルバムの曲じゃないけど)『明日世界が終わったら後悔しよう』なんて言葉、プロの作詞家でもなかなか出てこないぞ…

曲のポイントポイントで耳に引っかけるフレーズを置いているのが聴いていて心地よいです。
この辺のノウハウは、その道のキング“秋元康”を体感で教材としてる部分も大きいんでしょう。

あとドリカムの『何度でも』をカバーしてるんですが、これがポイント高。
大幅にアレンジや歌い方をいじってるわけではないのですが、何というか…“自然”なんですよ。

オリジナルの吉田美和とは歌唱力で言ったら圧倒的な差があるわけですが、それを感じさせることもなく、この手のカバーの常套句“やっぱりオリジナルの方が…”という印象も起こさず、とにかくナチュラルにサラッとこの難曲を歌いこなしているという。
これはボーカリストとしてのポテンシャルの高さを感じる部分ですね。

余談ですがこのトラックは“亀田の意地”という感じで、“1音たりとも無駄がなく変えようがない”位に突き詰められた中村正人のアレンジに爪痕を残すべく?、素晴らしいベースプレイをしているのでそこにも注目です。

んで…僕が一番驚いた部分なんですが…。

これを聴いて良かったんで、続けて1stアルバムも聴いてみたんですよ。

1stだけあって、亀田プロデュースに加えゲスト作家にスガシカオやGLAYのTAKUROがいたりと、むしろ2ndよりも豪華な布陣で作られているんですが…

歌もサウンドも…

アイドルが頑張った“アーティスト風”アルバム

という印象を超えるものではなかった。

 

ちなみに1stと2ndのインターバル、1年。

“この子、1年でどんだけ成長するねん”

1stと2ndではボーカルワークがマジで別人です。

これは想像だけど、1stを自分で聴いて納得いかない部分が大きかったんじゃないかなー。
そこからもの凄い努力をしたということがサウンドの進化からありありと伝わってきて、オジサン泣きそう、みたいなw

 
ジャニーズで言えば堂本剛や長瀬智也、んで最近辞めちゃったけど関ジャニの渋谷すばるなんかを見てて思ってたことだけど、この作品を聴くと改めて”アイドル”、“アーティスト”、”ミュージシャン”なんていう存在、ジャンル分けにもはや意味はないなー、と。
 
特に昨今では純然たるミュージシャンとしてやってると、才能があってもメシが食えないパターンも多いわけで、上手いこと先に作った地位やコネを利用することでより自由な活動を出来る部分もあるだろうし。
彼女が「ストリートで弾き語ってデモテープ送って…」とやったとして、亀田プロデュースまで行きつけたかは疑問だし。
 
そういう意味では最近の若い人は頭がいいし、地に足がついてるな、とホント思いますね。
 

だいぶ話が逸れましたが…汗、久々に“グッとくるアルバム”に出会ったという満足感に浸れました。
バンドライクな女性ボーカルが好きな人には、シンプルに“良い作品”としてオススメできると思います。

 

スポンサーリンク

コメント