音楽とかギターとか育児とかテキトーに

どこぞの馬の骨が、ダラダラと浅い知識を殴り書くブログ。

Other

蝉しぐれ

bundan_mark

 
 

藤沢作品の代表作であり最高傑作とされる長編小説

  • 完成度:★★★★★
  • 歴史度:★☆☆☆☆
  • 人情度:★★★★☆
  • 殺陣度:★★★★☆
  • 初心者向け:★★★★★
  • マニアック:★★☆☆☆

何はともあれ『蝉しぐれ』。
藤沢作品の代表作であり最高傑作とされる長編小説です。

大学生の時にバイトしていた塾の室長から『これは面白いから読んでおけ』と半ば命令のように渡され、気乗りしないまま読みはじめたら、いつの間にか面白くて寝ないで一晩で読み終えた作品。

その後ことあるごとに読み直しては新しい感動をもらうマイバイブルと呼べる一冊。

ここまで完璧で淀みの無い作品っていうのはなかなか無いと思います。
ストーリー、描写、登場人物の総てが魅力的。

江戸中期、藤沢作品ではお馴染みの東北の架空の藩『海坂藩』を舞台に、下級武士である主人公牧文四郎とその仲間の成長を軸に恋愛、友情、家族の絆等を描いた人間ドラマ。
そこに藩の陰謀に関するミステリー的要素やお得意の剣術描写までを含んだ盛り沢山な内容です。

藤沢周平の持つ莫大な引出しを全部引っ張り出してますねw
しかもこれだけ詰め込んでいながらテンポ感が良く、最高に爽やかな読後感が味わえるのがミソ。

読みはじめ、冒頭でのヒロイン役「おふく」とのエピソードで完璧につかまれますね。
前半は思春期の少年のありきたりの風景や心境、成長が美しく描かれています。

中盤には、ある意味ではこの小説最大の山場“小部屋にての父親との会話”が訪れます、後にも先にも小説で涙したのはこの場面だけです。

後半には藤沢作品ではお馴染み『秘剣』も登場し殺陣のスリリングな描写を楽しみつつ、テンポ良くクライマックスへと向かいます。

ラストはちょっと賛否あるかもしれません、ただ『綺麗に終わらない美しさ』というのもあります、あくまで「俗人」を描く達人である藤沢周平の作品として僕は最高のラストだと感じていますね。

まぁウダウダ語るよりも「とりあえず騙されたと思って読んでみ」、とにかくそう言いたくなる、そんな作品です。


【購入する】

-Other